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Vol.8 藤原亜季先生

 

心と体はつながっているもの。妊娠中は特に、気持ちいいと感じることを大事にしてマイナートラブルはこまめにリセットを

藤原亜季先生プロフィール

女性のための健康医療研究グループ「天使のたまご」代表。鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。 1978年京都府生まれ。近畿大学商経学部卒業後、世界数カ国をバックパッカーで歩き、アロマセラピーや東洋医学など、自然療法や伝統医療に出会う。帰国後、再び渡英しアロマセラピーについて勉強し、アロマセラピストに。のちに鍼灸マッサージ師の資格を取得。自らの妊娠・出産の経験から、妊娠中の女性と健康と美容をサポートする「マタニティ&ママのための鍼灸マッサージ院天使のたまご」を2006年銀座にて開院。2012年に自由が丘院を、2014年には医師と連携した不妊治療を専門とする健康医学研究所と治療院を開設。「漢方アロマセラピー」という独自の治療法で、妊活期・妊娠期・産後ケアまで、女性の体をトータルにサポートする。また、統合医療の一つである代替医療の研究と普及を軸とした「女性のための健康医療研究グループ」の代表として、セラピスト育成のための「天使のたまご代替医療スクール」も運営。著書に「妊娠・出産のための漢方アロマセラピー」(マイナビ)など。

女性のための健康医療研究グループ「天使のたまご」:http://www.tenshinotamago.com/

妊娠中のマイナートラブルの原因は、症状だけでなく生活全般を見ないとわかりづらいもの

病院では「しかたがない」といれてしまうマイナートラブル。でも、症状があることは「健康」ではありません

マイナートラブルというのは、病院を受診しても、「原因はわかりません」と言われるけれど、実際には不快な症状がある状態です。そのほとんどは「病気」ではないから、病院では治療してもらえないことが多いでしょう。そして、このマイナートラブルが多く起こるのが、妊娠中です。

妊娠中のマイナートラブルは、むくみ、立ちくらみ、腰痛、肩こり、便秘、気持ちの落ち込み、たくさんあります。これらは、母体の命には別状がないことがほとんどだし、おなかの赤ちゃんにも大きな影響がないことから、西洋医学では「しかたがない」で片づけられてしまうことが多い症状。でも、本人が「つらい、不快」と感じることは、決して健康な状態ではありません。

しかも、これまでのように、お酒を飲んだり、スポーツなどでストレス発散することもできません。そんな時に、「心地いいな」と感じて、マッサージを受けて、安心感と深いリラックスを得ることは、すごく大事な発散方法になるでしょう。マイナートラブルを直接解消することにもなります。

私が、マタニティ鍼灸を始めたのは、こうした妊婦さんに自然療法でラクになってもらいたいと思ったからです。もともとはアロマテラピストでしたが、それだけでは、リラックスさせることまでしかできません。でも、患者さんはもっと積極的に、症状から解放されてラクになることを望んでいるのです。だから、鍼灸師になり、リラックスと治療両方を合わせた療法を作り上げてきました。

西洋医学では原因がわからなくても、生活の中には理由があることが

マイナートラブルを解消しようと原因を探す時、妊婦さんの場合は特に、症状だけを見ていてもわかりません。生活習慣全般、人間関係までみないとわからないものです。たとえば、とても体がほてって乾燥する、という方にいろいろ聞いてみたら、冷え対策で香辛料をとりすぎて、かえって体が必要以上に熱をもっていることがわかりました。またある方は、日曜日と月曜日だけ足がむくむ、と言うのでよく聞くと、週末に外食することが多かった、ということもあります。おしゅうとめさんとの同居をやめたら、つわりがうそみたいにおさまった、という話もあります。

妊娠中はホルモンバランスの変化によって、メンタルもすごく変わっていく時期です。いつも前向きな人が、イライラしたり、めそめそしがちになったりもします。そんなメンタル面が体に影響することもあります。

そのくらい、フィジカル面、メンタル面、生活、すべての角度から見て、またコミュニケーションをとりながら、症状の解決法を探っていくことになります。

心と体はつながっていると考える自然療法のケアは、「気持ちいい」ことがとても大切。

体をケアすると、自然と心もラクになることを実感して

私たちは、心の専門家ではありません。だから、メンタルケアはできない、と肝に銘じています。患者さんのお話に、「そうですね」と共感はできても全てを理解することはできないし、解決することはもっとできません。でも、体をケアする専門家ではあります。そして、ただ肩こりと腰痛のケアをしただけなのに、「うつっぽい感じだったのも消えた」とおっしゃる患者さんも少なくありません。体の血行がよくなることで、気持ちの流れもよくなる、ということが起こります。

漢方で言えば、「気」の流れが変わるんですね。「気」の概念は、体がスムーズに働くように、体じゅうを巡っている流れのこと。こう書くとむずかしそうですが、「気が合う」「気が乗る」「気が進まない」など、ふだんから使っている言葉の中にもあり、日本人にとっては感覚でわかる概念だと思います。まさに「病は気から」という言葉もあるように、心と体がつながっているから、体の症状をケアすることで、心もラクになるということが起きます。

実際、自然療法のケアは、ある治療をしたらAがすぐにBとなる、というものではありません。たとえばつわりの場合には、「内関」(ないかん)というツボが手首の内側にあり、ここに鍼を刺す治療をします。でも、ツボは、刺激すれば症状がおさまるというスイッチみたいなものではありません。施術する側・される側のコミュニケーション、関係性、環境、そうしたことが重なって、ストレスがなくなり、施術を受ける方がリラックスした時に触れることで、初めて効果を発揮します。鍼の刺し方のテクニックだけではないのです。極端なことをいえば、話がちっとも通じない相手に、居心地の悪い場所で鍼を刺されても、効かないようなこともあります。

特に、妊娠期はデリケート。香りや空間の心地よさもすごく関係します。大事に扱われることそのことで癒やされることもあると思います。自然療法のケアには、心地いいことがとても大事です。「気」が大事なんですね。

自分に必要なケアは、直感でわかるはず。妊娠中は特にその感覚が鋭くなる時期

本来は、自分にはどんなケアが必要か、直感で選ぶことができるはずなんです。香りも食べ物も、ツボも。なんとなくそこが気持ちいい、この香りが安らぐ、飲んでおいしい、そう感じることが大事なこと。いくらいいものだとしても、自分に合わない・くつろげない・おいしくないと感じたらそれは効果がないでしょう。

ただ、今の時代は、あらゆることがコントロールされています。たとえば妊娠することにしても、排卵があるころだから自然とセックスしたくなるし、その結果赤ちゃんができるのが自然な流れ。でも、排卵日が計算されて、そこに合わせてセックスをコントロールする…本来と逆になっています。検査結果などの数字や、理詰めで管理することに慣れてしまうと、自然な感覚に頼ることを忘れがちかもしれません。

でも、妊娠中は、これが食べたい!という欲求が強くなったり、いやなことはどうにもがまんができなくなったり、こうした感性のアンテナが鋭くなる時。「本能の時間」ともいえるでしょう。その感覚を大事にしていいのです。

自分の感覚を大事にして飲みたいもの・食べたいもの・したいことを選ぶことは大事です。体がほてっているときに、からだを冷やすものを食べたくなるのはあたりまえのことなのに、「しょうががいいから」、と毎日必ず食べるように決めていると、かえって熱がこもって具合が悪くなることもあるでしょう。毎日していることなのに、なにかおかしい、と思ったら、一度全部やめて、リセットすることも大事です。

妊娠中の体は、日々ダイナミックに変わっていきます。さらに、気温や気圧、ストレスの状況によって体調は日々変化します。体が変化したな、と自分で敏感に察したら、今までしてきたことをリセットして、今の体に合うことをしてみるといいでしょう。

見逃しがちな小さな不快な症状をこまめにリセットするのがセルフケア

たとえば、出張や深夜残業、あるいは子どもの運動会の参加といった、わかりやすい「大きな疲れ」に対しては、休養しなくては、とケアをする意識が働きます。でも、ちょっと目が疲れた、なんとなく腰が重いかも、といった「小さな疲れ」は意外とそのままにしてしまいがちです。

でも、不快な症状は、「ちょっと」「なんとなく」といううちにこまめにリセットしていくことが大事です。

なんとなく頭が重い、と気がついたら、どうしてそんなふうになっているのか考えてみましょう。枕の高さが合っていない? 寝るまでスマホを眺めていた? ちょっと甘いものを食べすぎた? 「なんとなく」調子が悪いという間に、こうしたちょっとした原因をやめてしまえば、すぐにメンテナンスはできるのです。こうして少しずつメンテナンスしていくのが、セルフケアではないでしょうか。

現代の生活は、昔のように肉体労働がメインだった時代と違って、体がこりかたまりやすい生活。目も疲れるし、肩もこりやすくなっています。そうした症状は、ひとつひとつの疲れはたいしたことがありません。少しケアすれば、すぐに解消するもの。でも、積もり積もってしまうことが、少なくありません。

ちょっとした肩こりをほうっておくうちに、ある日、首が回らなくなるといった大きな症状になってあらわれます。また、人によってはそれが、メンタル症状として出てしまい、ある日突然会社に行けなくなるといったこともあるでしょう。

病院で検査しても「原因不明」とされてしまう耳鳴り、めまいといった症状にも、実は絶対に原因はあるはずなんです。ただ、それは数値化できないささいなことが積もった結果ということなんですね。このささいなこと、というのがマイナートラブルそのものなのです。

こうした、本格的な病気になるまえの状態を、漢方では「未病」と呼びます。どこか具合の悪いところがあるマイナートラブル状態で、そうした人は、健康体ではなく「半病人」と考えます。

病気になってからのケアではなく、そのまえに、病気にならない・しないケアをしていくことが、自然療法では大切なことです。

自然の摂理に従うことが、自然療法の基礎になります

3ヶ月後の体をつくるのは、今の生活ということを忘れずに

病気にならない体をつくる方法はいろいろあります。毎日の生活に、ハーブやアロマをとりいれたり、漢方を使ったり、生活の中にとりいれられることばかりです。そして、自分の体に興味を持ち、いいと思ったことを実践すること。とてもシンプルです。

体は、3ヶ月ですべての細胞が入れ替わるといいます。だから、今の体調は3か月前の生活が響いているということ。逆にいえば、今から生活を変えれば3ヶ月後の体は変わります。

食べるものが体をつくりますから、食事や飲み物はよく選びましょう。旬のものを食べることは、自然の摂理にかなっています。夏野菜は、体の熱をとるものだし、秋冬の根菜は体を温めます。また、リラックスして食べること。仕事の片手間におにぎりをほうばる時もあるかもしれませんが、いつもそんな食事では消化機能にも影響します。楽しく食べることはとても大事です。

とりすぎたくないものは、油と添加物類。神経質になりすぎなくてもいいので、気をつけられる範囲で考えましょう。とはいえ、妊娠中の体はとても特殊。つわりの時など、どうしても食べたいものは、歯止めが効かないし、それは実は必要なものだ、とも言います。たとえばジャンクフードが食べたい場合、たいていは、ふだんは食べないのにという人が多いようで、「たまにはハメを外したい!」という気持ちのあらわれなのかもしれません。なにごとも適度にではありますが、自分の体を信じて、体に正直になりましょう。その時に、「ああ、これでは食べ過ぎだな」と思ったら、やめればいいのです。

自然の摂理に従うことが、自然療法の基本

自然療法の考え方の基本は、「自然に逆らわないこと」です。それは、朝日とともに起き、日が沈んだら休む生活。こんな生活は現代社会では無理ですが、せめてそれに近い生活をすることです。旬のものを食べることもそうです。夏には冷房にばかり守られているのではなく、しっかり汗をかく時間ももつ…これが自然とともに生きるということです。

体にいいものを探したり考えたりする以前に、まずは自分の生活リズムやふだんの食事を見直してみましょう。自然に近いということはどんなことか、感じ直してみることも、ナチュラルなセルフケアには必要なことだと思います。

藤原亜季先生にとって健康とは

ものごとを前向きにとらえ、ポジティブでいることが、私自身の健康を支えています。そのためにも、気の合う人といっしょにいることが大事だと思っています。だからといって、気の合わない人と会わなくてはならないことも、ありますね。気の合わない人のことは、はっきり割り切ろうと考えます。たとえばですが、病院の医師でも合わない人はいると思います。でも、治療はどうしてもそこで受けなくてはならないなら、コンディションを整えるために治療を受けるだけ、とそこでは割り切るんです。そのかわり、ほかのところ、たとえばアロマセラピーとかマッサージとか鍼灸、そうしたところでストレスケアを受けてバランスをとる、ということだと思います。統合医療の考え方でもありますね。こうしてバランスをとって心身ともに居心地よくいることが、健康だと思っています。