【スタッフErikoのドイツ通信】
初めてやってきた日本の友人たちから、「ドイツは思ってたよりゆったりで、レトロな感じで、ちょっと意外、びっくりした」というコメントを聞くことがあります。
近代的で整然とした町並み、最先端の技術、時間厳守でかっちりした国民性、ドイツにそんなイメージを抱いている人は少なくないようです。
確かに、そういう部分もドイツの一部かもしれませんが、案外ノスタルジックで、寛容で、いぶし銀みたいな魅力も、ドイツの日常にはあります。
ぴかぴかの最新のものと並んで、色あせた古いものにもちゃんと居場所がある感じです。
そこで、ことしの夏休み特集は、3回に渡り、私がドイツ生活で出会ったアンティークな商品たち、職人さんの手作業が光る素敵な伝統技術についてお伝えします。
第一回目の今日は、「手回しオルガン」のお話です。
手回しオルガンは、古典的な自動演奏楽器で、資料によると18世紀の初めから欧州各地で演奏されていたそうです。
大道芸として発達し、今でも広場や縁日など、人が集まるところで聞くことができます。
手回しオルガンフェスタも、ときどき開催されていて、エレガントなコスチュームに身を包んだ奏者たちが一同に集い、レトロでメルヘンチックな音楽を聞かせてくれます。
オルガンに取り付けられたハンドルを回すことで、中のパイプのメカニズムが作動し、予め準備された音楽が流れる仕組みです。
サイズは、立って演奏するタイプの大きなものから、肩にかけて持ち運べる小型のものまで、様々。
デザインも、シックな台車にのったシンプルなものから、本体に花模様や風景が描かれていたり、ウィンドーに人形が飾られている美しいものもあります。
更に、音楽に合わせて一緒に動くミニチュア遊園地を備えた、手の込んだゴージャスなものもあり、かつての職人さんの高い手仕事の技術が伺えます。
また、オルガンの主旋律のほかに、パーカッションや木琴などの楽器も付属していて、ハンドルを回すことでそれらが一斉に音楽を奏で、1台でオーケストラのような立体的な演奏を楽しめるものもあります。
演奏される曲は、心浮き立つリズミカルで賑やかで楽しいものが多いです。
また手回しオルガンの演奏には、なぜかふかふかのサルのぬいぐるみが付き物。
調べてみたら、かつて旅芸人の手回しオルガン奏者がサルを連れていて、子どもたちの人気をさらっていた時代の名残だそうです。
手回しオルガンには、時代や場所を越えた不思議な魅力があります。
個人的な思い出があるわけじゃないのに、なぜか懐かしくほんわかな気持ちになります。
手回しオルガンのワルツが町の人たちの楽しみだった時代は過ぎ、今ではスマホにワンタッチで、より刺激的なエンターテインメントにもほぼ無制限にアクセス可能になりました。
そんな時代だからこそ、今でも現存する数少ない手回しオルガンのメーカーさんには、伝統をできる限り継承していって欲しいなぁと思います。
副作用も常習性もない昔ながらの演奏は、マリエンのメディカルハーブティーと同様、魂の健康に効果的なはずです。
ドイツ自然療法師(ハイルプラクティカ)からのおすすめ
※1 日本ではドイツのメディカルハーブは、マリエン薬局のオンラインショップのみ、直接ドイツから入手いただくことができます。
※2 自然療法師(ハイルプラクティカ)は、ドイツ国家資格による医療従事者です。
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